| 事務局より
平成最後のインタープリターバス研修!
今日は、インタープリターと豊田市環境部の職員とエコット事務局スタッフ合わせて36名で、2か所に行ってきました。
当初は雨の予報でしたが、素晴らしく気持ちいい天気でした(皆さんの日ごろの行いが良かったからですね!)。
まずは、岐阜県関市にある、「関ecoフィードセンター」へ。
ここは、事業で発生した食品残渣を集め、豚や鳥の飼料にする工場です。
工場の中に入った瞬間、まず感じたのはツンと鼻につくような臭いです。
でも決して工場の外では臭いがしなかったのが印象的です。
ちゃんと臭い対策をされているんだなと思いました。
この工場に運ばれる食品残渣は、全体の7割が食品の工場から、残りの3割がスーパーやコンビニなどの小売業からだそうです。
1日に冬場は20トン、夏場は28トン程度運ばれるそうです。
そのうち約2割が飼料となって民間企業へ売られていきます。
ベルトコンベアに、集められた食品残渣を載せている様子は圧巻!
多くは野菜くず、ごはん・麺類、肉・魚、惣菜が運ばれてきます。
ご飯や麺類は、くっついて固まりやすいため、ホースからの水を当てて分解させながらベルトコンベアで運んでいます。
お水は一日に約40m3使うそうです。PHを調整してから下水道へ流しているとおっしゃっていました。
集められたもののうち、スーパーやコンビニなどで出た串付きの食品残渣は、機械では取れないため、人の手で抜いて処理しているそうで、とても手間のかかる作業だなと思いました。
運ばれてから飼料になるまでの時間はおよそ3~4時間。
乾燥機、脱脂機、冷却樹などの工程を経て飼料となります。
2・3日に1回、飼料メーカーへ運ばれていくそうです。
乾燥機は100~150℃の水蒸気を食品残渣にあてて、乾燥させているとのこと。
熱源は、プロパンガスを使用していると伺いました。
脱脂機で発生した油は、民間企業のボイラの熱源(A重油の代替燃料)として売却されると伺いました。温暖化対策にも寄与しているんですね!
夏場の工場内は40℃を超えることもあるそうで、職場環境としては過酷だなと思いました。
ちなみに豊田市内のバローの食品残渣を受け入れているそうです。
ここでできた飼料は、知多市にある日本農産工業株式会社へ売られ、そこで豚用と鳥用の飼料を、他の飼料と混ぜながら製造しているとのこと。
1トン当たり5~10%がここで作られた飼料が混ぜられるそうです。
そもそも食品残渣は無いのが理想ですが、今の世の中、多くの食品がそのまま廃棄されています。
それをごみとしてではなく、豚や鳥のえさとしてリサイクルしている取組はとても重要な対策ですね。
食品残渣を出さないようにするにはどうしたらいいかも考えさせられる、良いきっかけとなりました。
そしてもう一つ。岐阜県各務ヶ原市にある「自然発見館」に行ってきました。
ここは、河川環境楽園の中にあって、国営木曽三川公園、岐阜県営公園、川島パーキングエリアなどからなる複合型公園の中にあります。
ここでは「プラスチックの海」という環境学習プログラムを体験しました。
最近話題になっているプラスチックごみについてなので、皆さんワクワクした気持ちで体験していました。
少しガイダンスを受けた後、さっそく外へ出て、体験しました。
まず、参加者36名のうち、33名がウミガメに、3名がウミガメを食べるシャチになります。
ウミガメは、クラゲを食べます。
今回は、クラゲとしてペットボトルのキャップを120個、えさのエリアにバラまきます。
準備が整ってゲームの開始です。
スタートラインからクラゲがあるエリアまで、歩いて取りにいきます。
ウミガメは3往復(クラゲを3つゲット)するまで続けます。
その間、もしシャチにタッチされたらおしまいです。
タッチされたウミガメは、自分が食べたえさ(つまりキャップ)を全てシャチに渡します。
最初は、ウミガメを食べるシャチは現れません。
ウミガメは安心してえさのエリアまで行ってクラゲ(キャップ)を1つゲットして、スタートラインへ戻ることができますが、2往復目からはシャチが現れます。
シャチにタッチされないようにエサを取りに行く時、とても盛り上がりました。
ゲームが終わった後、ふりかえりをしました。
まず、シャチに食べられずに生き残ったウミガメがどんなエサを食べたのか確認しました。
実は、3つゲットしたもののうち、キャップの裏が白いものはクラゲ、青色のものはプラスチックごみであると解説。
その結果、生き残った約20匹のウミガメのうち、3個中1個青いのを持っているウミガメが1匹、2個青いのを持っているウミガメが1匹、3個とも青いのを持っているウミガメが1匹いました。
実際、3つともプラスチックごみを食べたウミガメがいたら、それはどうなってしまうのでしょう?
もしかしたら餓死してしまうかもしれませんね。
そして、ウミガメを食べたシャチのおなかの中(つまりキャップの内容)も確認しました。
そしたらなんと3頭中2頭が青色のキャップ、つまりプラスチックごみを食べた結果となりました。
しかも、2頭のうち1頭が、4個中4個すべてがプラスチックごみを食べていた結果となったのです。
こうして、私たち人間が便利に使っているプラスチック製品が何等かの原因で海に流れ、それをウミガメやシャチにまで悪い影響を与えているんだということを、ゲームを通じて学習することができました。
休憩をはさんだ後、木曽川の河川敷に行って、どんなごみが実際にあるのか、拾っていきました。
皆さん、1つずつで良いよとスタッフから言われていたのですが、そんなことは気にせず、たくさんのごみを拾ってきました。さすがです!
部屋に戻ってどんなごみがあったかを共有しました。
そしたら、こんなものが。
「肥料をいれるビニル袋」「プラスチックのアイスの棒」「農業用のバンド」「農業用の黒ビニルシート」「ビニルひも」「布ひも」「木片」「ビニル製おもちゃのバット」「飴のプラスチック製包装」「発泡スチロール」「ペットボトル」「アルミ缶」「レジ袋」「弁当のトレイ」「布製帽子」「土嚢の袋」「竹」「ポケットティッシュの袋」など。
数年前に、この河川敷でどんなごみが漂着しているかを調べた結果を「木曽川のごみ ワースト9」と題して展示していました。
プラスチックのケースや、釣り針のついた糸などもありました。
最後に、これまで撮ってきた写真をスライドで見せていただきました。
浮きが流れている様子だったり、今にもごみに囲まれている鳥の様子だったり、鳥の足につり糸が絡まっていて片方の足がなかったりといった写真。
本当に色んな所で多くの悪い影響が出ているんだなと思い知らされました。
これまでを振りかえりながら、どうすれば漂着ごみを減らせるのかをワークシートに書いてもらって終了。
一日、大変良い研修となりました。
また来年度、実のある研修を企画したいなと考えています!
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
そしてご丁寧に案内してくださった皆さまにも感謝申し上げます!